ちょうど良いものは希望になる。
☆ちいたん:小3自閉症スペクトラム男子
通常学級で学んでいます。
☆ ぼん :小6兄
ちいたんは、視覚優位です。
小さい頃から、写真や絵を見せて、物事や意味とつなげる支援をしてきました。
(「ママ」「パパ」「にいに」を知るのも、ここからでした。)
一枚にひとつの物の写真や絵があるカードも見せたりしましたが、なんとも・・ちいたんの興味を引かず。
どうしても、お勉強として覚えさせる形式になりがちで、楽しさを生まない状況でした。
そんな状況の中で。
一緒に見て遊べたのはこちら。↓
ちょっと古いのですが、内容が良かったのです。
五十音順にいろいろな種類のたべものが並んでいて。
①とてもシンプルで目に優しく、ちいたんの意識が集中しやすい。
②日常の食卓に並ぶリアルな日々のたべものを扱っている。(おしゃれやかわいさではない。)
③どの見開きにも、好き嫌いの多いちいたんが好きなたべものが、必ずある。
いろいろな本があると思いますが、自閉症スペクトラムのちいたんには、ちょうど良い教材だったのです。
知育寄りになりすぎると、カタカナや英語が入っていたり、細かい説明などが入っていたりして、情報が多いとなると、ちいたんはふらっとどこかに行ってしまいがちでしたから。
この本には、小さかった当時のちいたんに必要な情報だけが列挙されていました。
そして最大のポイントは、一緒に見て遊びながら、ちいたんの世界が広げられるということです。
例えばこのページ。
ちいたんはチョコレートが好きです。
少々本題とはずれますが、オウム返しの時期までは、普通に話しても、ちいたんから「チョコレート」の言葉を引き出せないので、プロンプトします。
ABAでは、ちいたんから「チョコレート」の言葉を引き出すために、私の話す言葉の語尾に「チョコレート」をつけて、物事と言葉をつなげて行きました。
最初はいろいろな言葉を、ただの「音声」として発声している感じがしました。
何度も何度も月日を経ながら繰り返していくうちに、本の中の写真と言葉がつながったり、私の好きな物やぼんの好きな物をちいたんが意識し始めました。
いつもいつも「チョコレート」じゃなくなって、周りに影響を受けて、ただの「音声」が「意味」を持ってちいたんの中でつながり始めたのです。
世界が広がるってこういうことなんだ・・と思いました。
この「どれが好き?」の遊びは、他の本でもできますが、我が家にはこの本がなんとも、ちょうど良かったのです。
こうやって、ちいたんとつながって遊べることが、新鮮で、希望になりました。