ひびあるく

自閉症スペクトラム小4息子と家族の日々の歩み

目が覚えている。


 ☆ちいたん:小3自閉症スペクトラム男子
       通常学級で学んでいます。
 ☆ ぼん :小6兄
 

 

ちいたんが医師から診断を受けたのは、2才1カ月。

自閉症スペクトラム障害。生涯言葉が話せない場合もある。」

そこからのスタートでした。

 

ちいたんと一緒に療育に励んで。

 

現在は、言葉だけで通じ合えることがだいぶ増えてきました。

急に言葉が増えたことなどはないのですが、ふと立ち止まった時に、

「そういえば、ちいたんって・・前より上手に話せるし、言ってることがわかるようになってきたよね?」

と、パパと何度も何度も確かめてこれました。

 

 

その途中には、言葉が出始めても、幼稚園の頃まではこちらの発言の最後の言葉を繰り返すような、オウム返しの状態も長く続き、心配しました。

 

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表情は「無」で、目も合ったり合わなかったりでしたので、・・なんだかちいたんがロボットのような。

「ちゃんと伝わっているのかな・・?」

そんな思いが、私の気持ちを日々重くしていたように思います。

 

ですが、そんな「無」のように見えた時代に、「ちゃんと感じてくれていたのだなぁ。」と思える出来事があって、うれしかったのです。↓

 

 

 

オウム返し全盛の幼稚園の頃、毎月購読していた本。

ぼんの分はもういいかな・・と思って処分しているのですが、ちいたんの分はまだ全部とってあります。

 

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幼稚園時代のちいたんは、字が読めず、オウム返しの状態なので、読むというよりパラパラめくるという様子。

興味のないページはどんどん飛ばすちいたんの手を遮って、半ば無理矢理に強引に、私が読んでいました。

 

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読んでいても心ここにあらずのような。

ふらっと離れて行ったり、とにかく本をポイポイ投げたり。

「ちいたんは本が苦手なんだな・・。」

そんな風にも思っていました。

 

「ちいたんがちゃんと見てないページがいっぱいだわ・・。」

単純に毎月買っているのにもったいなかったのと。

ちいたんはゆっくり成長するから、年齢より幼いものも必要だろうと。

捨てずに、捨てられずに?いました。

 

 

 

先日、しらすが残っていたので、いろいろなものが食べられるようになってきたちいたんの卵焼きに、初めてしらすを入れてみました。

するとちいたん。

 

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ささっと本棚に向かって行くと、幼稚園の時の本を迷わず選んで!

バサッ!

 

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探すの速すぎるし?

知ってたって?

どや顔?

あの頃?

この本?

全然見てなかったよね・・・?

 

たまたまかな・・?と思っていたのですが。

 

 

昨日は、初めてさつまいもをお味噌汁の中に入れてみたら。

 

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バサッ!!

 

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・・・速すぎる。

 

今のところ、献立神経衰弱がどんな風に生かせるか分かりませんが。

 

目が覚えているということですね。

 

視覚優位だとはずっと言われてきましたが、ちいたんにはそういう能力があるようです。

 

あれだけある本の中の?

どの本の?

どこに出ていたかを?

熟読もせずに?(これが特に謎。)

瞬時に探し出せる?

とは。

なんたること。

 

 

「無」に包まれていて、何も届いていないように思えていたあの時代にも、意味があったのだなぁと、うれしく思いました。